備忘ログ

メモ以上日記未満

一次創作にはかなりの熱量が必要になる

そりゃあ俺だって、学生時代からずっと駄文を書き連ねることを趣味として生きてきたわけだから、小説家とか文筆家というモノに憧れがないと言ってしまえば嘘になるのだ。

学生時代から外に出るのも他人と事務的な会話をこなすのも嫌いで、代わりに部屋に閉じこもってはせっせとブログなりSSを書いて楽しんでいた訳だ。文章を書くのが好きだからこそ、文章を書いて生計を立てたいと考えたことはあるのだ。

けれど実際のところ小説家になるためには当然ながら小説を書かねばならない。で、俺はどう頑張ってもそれが出来なかった。物語を創作すること自体が出来ない訳ではないのだ。高校時代から、ある作品の二次創作のホームページとか作って結構な数の文量を書いていたし、大学に入ってからも男女SSとか、あるいはアイマスのSSとかを趣味で書いていた。けれど、自分でいちから世界を構築し、キャラクターを構築し、そして読者の感情を揺さぶるような(この場合どんな感情でもいい)物語を構築することが出来ないのである。いや、まるっきりプロットを練れないのではない。毎日のように布団に入ってから妄想とかしているし。今でも。むしろプロットは作れるのだが、それを物語に昇華できないのだ。

で、その時俺は考えた。どうして自分は文章を書くのもプロットを書くのも好きなのに、最終的には物語に落とし込めないのか、と。そんで一応の結論として、自分には熱量が足りないんじゃないか、という結論に至った訳。

 

実際のところ、小説の執筆という作業はかなり骨の折れる作業である。世界観の説明とかキャラの説明とか、そういうのも全て作品の中で済ませる必要があるし、これは結構面倒である、SSや二次創作の場合、皆同じ作品の世界観やキャラクターをもとにしてあるので、改めてそのあたりの説明の必要がない。だから作者はさっそく書きたいテーマに取り掛かれる。一次創作の場合は、その辺りに余計な手間が生じてしまう。だから普通の書き手は「ああもういいや、めんどくせえ。二次創作にしよ」ってなるのだと思う。そしてある一定以上の熱量を持った作者、つまり「面倒だけど俺はその上で書きたいものがあるんだ!」っていう選ばれし人が一次創作の世界へ足を踏み入れるのだと思う。んで俺はそういう人間ではなかった。それに気づいた時は結構つらかった。

まあ、俺の場合、ある種の逃避的行動としてブログとかSSを書き続けてきたというのがあるし。つまり現実では何物にもなれない人間だから、せめてネットでは何かの創作に携わってみよう、みたいな。負のモチベーションに引っ張られてここまで来たわけだ。そういう意味では、恐らくは本質的に「書き手」ではないのだと思う。

しかしまあ、色々と講釈を垂れてみたものだが、どんな経緯でこうなったにせよ、今の自分が好きで文章を書いているというのは紛れもない事実なのであるし、その辺りが自分の個性でもあると思っているので、文章を書くという行為自体はこれからも意識的に継続していきたいと思うのだ。ブログ書いたり、SS速報とかvipにSS上げたりして。
んでそのうち、「色々書くもの」のリストのなかに一次創作も入ればいいなあ、なんて思っていたりする。今の自分には小説家になりたいとかいう思いは全くないけれど、そういうのとは全く関係なく、単純な夢としてそう思ったのでした。

いつまでも夢を持ち続けられる人間になりたいものだし、また夢を夢のままにしない人間にもなりたいものである。