備忘ログ

メモ以上日記未満

星を継ぐもの

というSF小説を最近読んだ。

端的に言って非常に出来の良い物語であり、知的好奇心を喚起する小説でもあった。自分が高校生の時にこの小説に出会っていたら、おそらくは理系の学部に進学し、今とは異なった人生を歩んでいただろうな、と思うほどには科学技術というものに強い憧憬を抱かせる作品だったと思う。

SF小説は僕が大学生時代の頃によく読んでた分野の本で、当時は何しろ暇を持て余した乱読家であったから、1984だとか幼年期の終わりのようなコテコテのSFから銀河英雄伝説のようなエンタメ性の高い小説までそれこそ本屋の早川SF文庫の棚に置いてある本を比喩ではなく片っ端から読んでいくような生活を送っていたのだが、どういう訳かこの名作を読む機会はなくて。しかし読んでみると、これまで読んだSF小説の中でもトップクラスで面白い作品だったと自信をもって言える。

ついでに、他に好きなSF小説は、「火星の人」とか「夏への扉」とか。SF小説というと何となく読みにくいイメージがあるかもしれないけれど、「星を継ぐもの」を含め、先に挙げた作品は結構読みやすい部類に入ると思うのでSF初心者の方にもオススメである。

しかし、僕が人生で一番SF小説を読んでいたであろう大学時代は、よくSF小説の冬の時代と言われていたようだけれど、その時と比べると今はぼちぼち底を脱しているのかな、とも感じる。具体的に言うと、若い小説向けの作品が増えているイメージ。半分ラノベみたいな。

そもそも、いつの時代も中高生男子は宇宙だとか、サイバーパンクだとか、そういう如何にもSF的な世界観は好きなのだ。FF7のミッドガルとかもあれ、如何にもSFって感じがして素敵。

SFという分野がもっと流行って、僕好みの作品がガンガン出てくれるとすごく幸せだなあと思いました。具体的にいうと銀河英雄伝説的な硬派なスペオペが読みたい。